技術説明 -DOCUMENT-

初めてレベルセンサーを扱われる方へレベルスイッチ・レベル計の初歩的な内容について説明します。

工場やプラントをはじめ、さまざまな場所にタンクや配管が設置されています。こうした中に貯蔵されている液体や粉粒体の残量の有無や残量レベルを正確に把握するためのセンシング機器が、「レベルスイッチ」「レベル計」です。

センシングという意味では同じ役割ですが、「レベルスイッチ」と「レベル計」では、検出・計測する目的が異なります。詳しくは下記をご覧ください。
また、レベルスイッチ・レベル計の代表的な方式をいくつか紹介します。

レベルスイッチ・レベル計とは?

レベルスイッチ

タンク・容器内の測定物の有無。
それを正確に検出するのがレベルスイッチです。

タンク・容器内の測定物の有無。それを正確に検出するのがレベルスイッチです。

レベルスイッチとは、タンクや容器内の液体・粉粒体の「有無」をポイントで検出するセンシング機器です。例えば、右の図の様に、タンクの上限ポイントと下限ポイントに設置してこのポイントの液面の有無を信号で出力することで、液体や粉粒体のオーバーフロー(タンクから溢れる事)やタンクが空になることを未然に防ぎます。

タンクへの取付けは、タンクの上や横など様々です。
非常に多種多様な製品があり、価格帯も安価なものが多いため、導入しやすいというメリットがあります。

レベルスイッチの詳細はこちら

レベル計

タンク・容器内の測定物の残量レベルを連続的に計測するのがレベル計です。

レベル計は、測定物の残量レベル(高さ)を連続値(何パーセント)で計測するセンシング機器です。レベル計は「連続レベル計」「レベルメーター」「液面計」と呼ばれることもあります。
メリットは、レベルスイッチよりも高い精度の残量管理が出来ますが、反面、レベルスイッチよりも高価であることが多いです。
タンクへの取付けは、タンクの上から取り付けるタイプが多く、接触型と非接触型の両方のタイプが存在します。

レベル計の詳細はこちら

レベルセンサについて

また、「レベルセンサー」という呼び方もありますが、これは上記の「レベルスイッチ」と「レベル計」のどちらか、又は、総称して使われるケースが多い様です。

残量を検出・計測するセンシング機器には、「レベルスイッチ」、「レベル計」、「連続レベル計」、「レベルセンサ―」、「液面計」、など様々な呼び方がありますが、各会社によって若干意味が変わってきます。当社では上記の様な考え方をしています

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レベルスイッチ・レベル計の重要性

自動化・省力化によるコストの削減、計測の正確化による品質向上を同時に実現します。

自動化・省力化によるコストの削減、計測の正確化による品質向上を同時に実現します。

地球環境への負担やコスト削減という観点から、
生産設備における自動化・省力化が進んでいます。

  1. これまで人が大きな役割を担っていた計測・管理・制御という工程を、自動化することで、コスト削減を実現しています。
  2. また、精密な計測を行うことで、生産工程の品質を向上させるという役割も担っています。

センシング機器の導入により、これまでは計測の難しかった過酷な環境下での管理や把握も可能になり、より安全性の高い工場やプラントの残量管理や自動制御が可能となりました。今後も弊社では、より良い製品づくりに努め、計測環境の整備に尽力してまいります。

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レベルスイッチ・レベル計の種類

測定物や使用環境によって、最適な機種選定は重要なポイントになります。
下記に各方式の特長を簡単に説明します。

レベルスイッチ、レベル計は、その種類も豊富ですが、使用される測定物や環境にマッチした選定が重要になります。
下記に、代表的な測定方式とおすすめの測定物をご紹介いたします。

レベルスイッチ・レベル計の選定に必要な基本用語については、「用語の説明」の「レベルセンサ選定の為の基本的用語」をご参照ください。

静電容量式 レベルスイッチ/レベル計

スイッチ・連続 スイッチ・連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理測定物の持っている固有の誘電率と空気の誘電率との差を検知・計測して検出・計測信号を出力します。
長所センサ部がシンプルで、高温や高圧など苛酷な環境下でも検知・計測可能。粘性の強い液体にも対応します。
短所測定物の誘電率が変化する場合に影響を受けることがあります。

レベルスイッチ≫静電容量式   連続レベル計≫静電容量式

フロート式 レベルスイッチ/レベル計

スイッチ・連続 スイッチ・連続
測定物(おすすめ) 液体
可動部 あり
接触・非接触 接触
原理フロート(浮き)が浮力の原理によって上下し、フロート内のマグネットによりリードスイッチが作動して検出信号を出力します。
長所コストが安く手軽に使用できます。また、液体の電気的特性の変化も問題ありません。
短所 粘性の強い液体、比重の軽い液体、高温・高圧の場所では使用できないことがあります。また、ゴミや浮遊物のある液体では、つまって故障や誤検知をします。

レベルスイッチ≫フロート式   連続レベル計≫フロート式

電極式(リーク式)レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 液体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理複数の電極間の電気の導通を利用して、液体の有無を検出します。
長所コストが安く、多点の液面検出が可能です。
短所粘性液体やゴミや浮遊物がある液体、付着が残る液体、導電性ではなく絶縁性の液体の検出には難があります。

レベルスイッチ≫リーク式

音叉式レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 液体・腐食性液体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理音叉状のセンサ部が振動し、液体がセンサ部に触れる際の振動周波数の変化を利用して、液体の有無を検出します。
長所様々な液体の検出が可能で、測定物の物性が変化しても対応可能です。
短所測定物が音叉の間に挟まると誤検知を起こし、粘度が強い液体やスラリーには対応が難しい場合があります。

レベルスイッチ≫音叉式

高周波式 レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理測定物に高周波信号を発信し、インピーダンス変化を捉えて測定物の有無を検出します。
長所本製品1台で、導電性から絶縁性まで幅広い測定物を検知可能です。高粘度の付着やクリーム・ペースト状にも対応します。
短所センサ部の形状変更に制限があります。長いセンサ電極等への変更、比重の小さい粉体、超高温仕様には対応不可です。

レベルスイッチ≫その他

パドル式(回転式)レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 粉粒体
可動部 あり
接触・非接触 接触
原理羽根が先端についたシャフトを回転させ、測定物が羽根に触れると羽根が停止し、その停止を検知し検出信号を出力します。
長所粉粒体のレベル検出では、低コストで手軽に使用できます。
短所機械式のために、メンテナンスの必要が生じることがあります。設置場所の振動の強いところは故障する可能性があります。

レベルスイッチ≫パドル式

振動式 レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理 ロッド(棒)を特定の周波数で振動させ、測定物がロッドに触れると振動が減衰し、その減衰を検知し検出信号を出力します。
長所物性が変化しても検出可能です。初期調整やメンテナンスの必要ありません。比重の軽い粉体にも対応します。
短所 設置場所の振動が強いところ、高温・高圧の環境に難があります。また、センサ部の粉体の付着・堆積で誤動作をおこす場合があります。

レベルスイッチ≫振動式

光式 レベルスイッチ

スイッチ・連続 スイッチ
測定物(おすすめ) 液体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理 光の屈折率を利用して液面の有無を検出します。
長所小型で手軽に液面検出が可能です。
短所 過酷な環境には適していません。また、液体の色・透明度に影響を受けたり、付着に弱い場合が有ります。

レベルスイッチ≫光式

超音波式 レベル計

スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 非接触
原理超音波を発信し、液面で反射した超音波を受信し、送信と受信の時間差を計測信号に変換して出力します。
長所非接触で計測できます。液体の種類が変わっても問題なく、取り扱いが容易です。
短所真空では使用不可。高温、高圧、ベーパ-、粉塵、障害物があるなどの環境下では難があります。タンクの形状・内部の状況によっては設定が難しい場合があります。

連続レベル計≫超音波式

レーダー式・電波式 レベル計

スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 非接触
原理 アンテナからレーダーを発信し、液面で反射したレーダーを受信し、送信と受信の時間差を計測信号に変換して出力します。
長所 過酷な環境下でも非接触で計測が可能です。
短所 測定レンジの不感帯がある為、小型タンクでは使いづらい。誘電率の低い物質や泡等では誤計測を起こす。また、現場環境によって初期設定が難しい場合があります。

連続レベル計≫レーダー式

ガイドレーダー式 レベル計

スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理 マイクロ波パルスをセンサロッド上に発信して、ロッド上の信号が液面に反射して戻ってくる時間を計測して出力します。
長所 非接触レーダー程、初期設定が難しくなく、様々な計測が可能です。
短所 小型タンクや狭所の計測に難があります。不感帯がある為にセンサ電極全体で計測することが出来ません。

連続レベル計≫ガイドレーダー式

圧力式・差圧式 レベル計

スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体
可動部 なし
接触・非接触 接触
原理 タンクの下部に設置し、液体の圧力を計測して計測信号を出力します(差圧式は上部にも設置)。
長所 簡単な液体や環境下では手軽に使用できます。また、圧力式はタンクの上部に取付できない場合に使用できます。
短所 液体の比重の変化に対応できません。過酷な環境下や高温や高圧では誤差が大きくなったり計測できない場合があります。タンク下部に取付ける必要があります。

連続レベル計≫圧力式

サウンジング式 レベル計

スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 粉粒体
可動部 あり
接触・非接触 接触
原理 ワイヤーで吊り下げた錘をタンク内に下降させ、粉面に触れたときのワイヤーの張力の変化をとらえ粉面までの距離を計測します。
長所 超音波やレーダー式の様に粉体の安息角の影響を受けません。粉じんにも対応します。
短所 錘を粉面に付けるという方式の為、錘が粉粒体に巻き込まれると錘が脱落する可能性があります。また、メンテナンスが必要になります。

連続レベル計≫サウンジング式

レベルスイッチ・レベル計の
各方式の動作原理を
動画で紹介します
もっと分かる!センサ動画集

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