技術説明 -DOCUMENT-

レベル計・液面計の様々な種類や方式の
仕組み・特長・注意点などを解説します。

最適なレベル計を選定する為に各方式の原理・構造・特長を知っておくと選定しやすくなります。
ここでは当社が販売しているレベル計各方式の製品の構造・特長・注意点を分かりやすく解説します。

レベル計とは

レベル計とは、測定物の「残量レベル」を連続的に計測するセンサです。

レベル計の設置例

レベル計(連続レベル計)は、レベルスイッチとは違い、液体や粉粒体の量を連続値(%)で出力する計測器です。(レベルメータ、液面計、粉面計とも言います)
タンクや容器内の測定物の高さレベル(残量レベル)をパーセントで出力します。
レベルスイッチのようにポイントの検出をするのではなく、例えばタンク内の液体が15%貯蔵されているというように0∼100%の連続指示値で出力します。すなわち、 レベルスイッチよりも細かい残量監視および管理を行うことができます。一般的にはDC4∼20mAの電流出力を行います。
(4mAの時は0%、20mAの時は100%、12mAの時は50%になります) タンクへの取付けは、タンクの上からの取付けが一般的ですが、タンクの下部に取付けを行う方式もあります。レベル計もレベルスイッチ同様に多種多様な製品があり、価格帯は様々です。
主に、静電容量式、フロート式、超音波式、レーダー式、圧力式などがあり、それぞれ、原理、構造、特長が異なります。

レベル計一覧

静電容量式レベル計

静電容量式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体、粘性液体、腐食性液体、粉粒体、泡、界面
可動部 なし
接触・非接触 接触
概要 静電容量式レベル計は、検出電極と接地電極(タンク壁面)の間の空状態の静電容量値と液を投入した状態の静電容量値の差により計測信号を出力します。

原理と構造

構造はセンサ部が検出電極と接地電極に分かれており、接地電極はタンク壁面と導通しています。検出電極とタンク壁面の間の静電容量値Cを計測し、静電容量値Cの変化容量(増加量)は液面の高さに比例しますので、この変化容量(増加量)に比例した信号を出力します。

静電容量式レベル計

長所・特長

  • あらゆる液体、粉粒体の検出が可能。液化ガスの計測も可能。
  • 高温、高圧、低温、真空に対応。
  • 界面計測、泡計測、付着、粘性液体にも対応。
  • 電極の形状や材質の設計自由度が広く、様々な条件に合わせた選定が可能。
  • 電極に可動部がなく、耐久性に優れている。
  • 不感帯が無いので、超小型タンクにも対応。
  • 振動の強い現場や狭所のスペースにも対応(分離型)。

短所・注意点

  • 初期調整が必要。
  • 測定物の誘電率が大きく変化する場合に注意が必要。

適応アプリケーション

  • 液体、粘性液体、スラリー、界面、粉粒体などの計測
  • 泡(又は泡無視)の計測
  • 高温、高圧、真空での使用
  • 小型タンク・超小型容器にも対応
  • 液化ガスの計測
  • 食品・医薬関連

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フロート式レベル計

フロート式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体、粘性の弱い液体、腐食性液体
可動部 あり
接触・非接触 接触
概要 フロート式レベル計は、フロート(浮き)が浮力の原理によって上下し、フロート内のマグネットによりリードスイッチが作動して計測信号を出力します。

原理と構造

ステム内にリードスイッチ・抵抗を等間隔に配置し、液面変化に応じて上下移動するフロート内部の磁石(マグネット)により、各位置のリードスイッチが閉じ、抵抗値Rが変化します。この抵抗変化に応じた信号を出力します。

フロート式レベル計

長所・特長

  • 様々な液体のレベル計測が可能。
  • 測定物の物性が変化(電気的な物性変化)しても対応可能。
  • 樹脂仕様にて腐食性の液体、薬液にも対応。

短所・注意点

  • 粘性の強い液体、比重の小さい液体、ゴミなどの浮遊物がある場合は使用できない場合がある。
  • 定期的な清掃の必要性がある。
  • 可動部があるため故障の原因になる。

適応アプリケーション

  • 純水、油、溶剤
  • 腐食性液体、薬液
  • 小型タンク

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超音波式レベル計

超音波式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体、粘性液体、粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 非接触
概要 超音波式レベル計は、超音波を発信し、液面で反射した超音波を受信し、送信と受信の時間差を計測信号に変換して出力します。

原理と構造

超音波パルスがセンサ部から発信され、測定対象物に反射して往復するまでの時間を計測することによって、測定物の残量レベルを連続的に出力します。レベル計と測定物の距離が短い場合は往復時間が短く、距離が長い場合は往復時間が長くなります。その往復時間を出力信号に変換します。

超音波式レベル計

長所・特長

  • 非接触で、液体から粉粒体など様々な測定物の連続レベル計測が可能。
  • 近距離から中・長距離のレベル計測が可能。
  • 液中の沈殿物の界面計測やライン上の物質検出等も可能。

短所・注意点

  • 高温や高圧・真空(大気圧以外の場所)では使用できない。
  • 蒸気、障害物などがある環境下では測定できない場合がある。

適応アプリケーション

  • 非接触での液体、粉粒体、粘性液体の計測
  • 液中の沈殿物の連続レベル計測

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圧力式レベル計

圧力式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体
可動部 あり
接触・非接触 接触
概要 圧力式レベル計は、タンクの下部に設置し、液体の圧力を計測して計測信号を出力します。なお、差圧式レベル計はタンクの上部と下部に設置します。

原理と構造

タンク下部にセンサを設置し、タンクの大きさや液量に関わらず液体の比重が一定であれば、タンク底面に加わる圧力は液面の高さに比例します。このセンサの接液面に加わる圧力と大気圧の相対圧力を測定することによって液面レベルを測定します。

圧力式レベル計

長所・特長

  • 小型で高精度の計測が可能。
  • 接液面は耐食性に優れた材質を採用しており腐食に強い。
  • 液体の比重に変動がなければ、液体の性質変化の影響を受けない。
  • タンク上部に取り付けられない場合に最適。

短所・注意点

  • 液体の比重の変化には対応できない。
  • 高温、高圧では誤差が大きくなったり計測できない場合がある。
  • タンク下部に取付ける必要がある。

適応アプリケーション

  • 圧力がない液体用タンクの連続レベル計測
  • プールなどタンクの上部に取り付けできない場合

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ガイドレーダー式レベル計

ガイドレーダー式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 接触
概要 ガイドレーダー式レベル計は、マイクロ波パルスをプローブ上に発信して、プローブ上の信号が測定物に反射して戻ってくる時間に基づき信号を出力します。

原理と構造

アンプ部からプローブ(ロッド部)へマイクロ波パルスが発信されます。マイクロ波パルスが測定物に反射し、再びプローブ(ロッド部)を伝ってアンプ部に戻るまでの往復時間とマイクロパルスの伝搬速度から距離(残量レベル)を換算して信号出力します。

ガイドレーダー式レベル計

長所・特長

  • 液体から粉粒体の測定物に対応。液体は腐食性液体、スラリーなどにも対応する。
  • 温度、圧力、水蒸気、ガス、液の性状変化などの影響を受けない。
  • 貯蔵タンクや大型サイロまで対応(最大12mまで測定可能)
  • 可動部がなく、取付け、調整、メンテナンスなどの取扱いが容易。

短所・注意点

  • 不感帯があり、小型タンクや狭所には不向き。
  • 測定物の誘電率が低い場合は計測できない場合がある。
  • 泡で誤動作・誤計測する場合がある。

適応アプリケーション

  • 液体、腐食性液体、薬液、粉粒体
  • 測定物の液種等が変化する場合
  • 大型タンク・大型サイロ内のレベル計測

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レーダー式レベル計

レーダー式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体・粘性液体・粉粒体
可動部 なし
接触・非接触 非接触
概要 レーダー式レベル計は、センサ部からレーダーを発信し、液面で反射したレーダーを受信し、送信と受信の時間差を計測信号に変換して出力します。

原理と構造

センサ部のアンテナから発信されたマイクロ波は測定物の表面で反射し、反射波として再びセンサ部で受信します。このマイクロ波の往復時間を計測し、距離(残量レベル)に換算して信号出力します。

レーダー式レベル計

長所・特長

  • 非接触で、様々な測定物(液体、粘性液体、腐食性液体、粉粒体)のレベル計測が可能。
  • 粉塵、蒸気、高温、高圧などの環境下でも使用可能。

短所・注意点

  • 不感帯があり、小型タンクや狭所には不向き。
  • 測定物の誘電率が低い場合は計測できない場合がある。
  • 撹拌機や障害物などがある環境下では測定できない場合がある。
  • 初期設定が超音波式等に比べて難しい。

適応アプリケーション

  • 非接触での液体、粘性液体、腐食性液体、粉粒体のレベル計測。
  • 高温、高圧、水蒸気、ガスなどの環境下での計測。
  • 大型タンク・大型サイロ内のレベル計測

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投げ込み式レベル計

投げ込み式レベル計
スイッチ・連続 連続
測定物(おすすめ) 液体
可動部 あり
接触・非接触 接触
概要 投げ込み式レベル計は、センサ部を液中の下部(底近辺)に設置して、センサ先端の接液面に加わる圧力に比例した信号を出力します。

原理と構造

センサ部を液中の底近く(タンク下部)に設置します。液体の比重が一定であれば、センサ部の測定面に加わる圧力は液面の高さに比例します。このセンサ部の接液面に加わる圧力と大気圧の相対圧力を測定することで液面レベルを測定します。

投げ込み式レベル計

長所・特長

  • 1~100mまでの連続レベル計測が可能。
  • センサ部を液中に投入するだけで、その他の設定・調整が不要。
  • 取付け・メンテナンスなどの取扱いが容易。

短所・注意点

  • 圧力があるタンクなどでは使用できない。
  • 液体の比重の変化には対応できない。
  • 高温、高圧では誤差が大きくなったり計測できない場合がある。

適応アプリケーション

  • 非圧力タンクの水・腐食性液体の連続レベル計測
  • 貯水池、河川の水位計測
  • ドリルホール、井戸、排水など

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