技術説明 -DOCUMENT-

静電容量式レベルスイッチの原理・特長
種類・注意点など解説いたします。

最適なレベルスイッチを選定する為に、その方式の原理や仕組み、ラインナップを知っておくと選定しやすくなります。
ここでは静電容量式レベルスイッチの原理、特長、種類(ラインナップ)、注意点を分かりやすく解説しています。

静電容量式レベルスイッチの概要

静電容量式レベルスイッチは様々な測定物や厳しい環境に対応します!

静電容量式レベルスイッチの概要

静電容量式レベルスイッチは、測定物が持っている固有の誘電率と空気の誘電率との差を検出・計測して測定物の有無を検出します。
静電容量式レベルスイッチは、可動部が無く、液体、粘性液体、粉粒体、泡、界面などを検知することが可能です。
当社の静電容量式レベルスイッチは、お客様の使用環境に合わせた豊富なラインナップをご用意しています。

静電容量式レベルスイッチの原理

原理と構造

測定物を検知する電極は接地電極、検出電極、絶縁物に分かれており、検出電極と接地電極の間の静電容量値を計測します。測定物が検出電極に触れる(空状態から接液状態に変化する)ことによって、空気の誘電率と測定物が持っている固有の誘電率との差によって静電容量の差が発生します。この差を検知・計測して検出信号を出力します。

空時の電気的な状態と、満時の電気的な状態の違いを捉え、レベル検知を行います。 空時の検出電極と接地電極の電気的な状態は、抵抗値(R0)が無限大(∞)で、静電容量(C0)は取り付け状態で決定される固定の静電容量値になります。
容器に測定物が入り電極に触れると、検出電極と接地電極間の抵抗値および静電容量値は、抵抗値(Rs)静電容量値(Css)に変化します。この変化をとらえてレベル検知を行います。

測定物による変化の捉え方

  • 電気を通さない(絶縁性):抵抗値はほぼ無限大(∞)で変化はほとんどなく、静電容量値のみ変化し、この静電容量値の変化をとらえます。
  • 電気を通す(導電性):抵抗値が小さくなり、この抵抗値の変化をとらえます。
  • 中間:抵抗値と静電容量値の両方の変化をとらえます。

さらに詳しく!

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静電容量式レベルスイッチの特長

特長・利点

  • 液体から粉粒体、絶縁性から導電性まであらゆる物質の検出や計測が可能
  • 温度、圧力、粉塵などの影響を受けない
  • 電極の形状や材質の設計自由度が広く、様々な条件に合わせた選定が可能
  • 電極に可動部がなく、耐久性に優れている
ヤマデンの静電容量式レベルスイッチの実績の一部を紹介します。

<当社実績測定物>

■液体一般

  • 水道水、純水など水全般、重油、ガソリンなどの油全般
  • 塗料、接着剤、汚泥などの付着が強いもの、塩酸、硫酸、苛性ソーダなどの各酸系、アルカリ系液体

■粉体一般

  • 樹脂ペレット(静電気対応)、鉄粉、石灰、鋳物砂、カーボンなど

■食品関係

  • 胡⿇、小⻨、穀物、チョコレート、クリーム、醤油、味噌、糖蜜など

■特殊

  • 泡検出、泡無視液体検出、界面検出、液化ガス

■高温・高圧・低温の測定物

  • その他、あらゆる物質の測定が可能です!

静電容量式レベルスイッチの種類

静電容量式レベルスイッチの種類

お客様の用途に合わせて、ユニット構成、電極部を選定します。

製品ラインナップ

  • 防爆仕様(本質安全防爆型)
  • 小型タンク・小型容器用のペンシルタイプ
  • 配管用の小型フラットタイプ、パイプラインタイプ
  • 洗浄性が高いサニタリータイプ
  • 超高温タイプ(~300℃)、超低温タイプ(-200℃~ )
静電容量式レベルスイッチに最適なアプリケーションを紹介します。

<適応アプリケーション>

  • 粘性液体、スラリー、界面、粉粒体などの検出
  • 泡検知及び無視
  • 高温、高圧、真空での使用
  • 食品・医薬関連
  • 配管内の液体の有無検出。

静電容量式レベルスイッチの注意点

選定の注意点と対策

1. タンク内が高温・低温の場合
標準電極の耐熱温度は−25℃∼+80℃です。タンク内温度が 80℃以上ある場合は、高温仕様の電極を選定してください。
300℃以上の高温の場合は超高温タイプ、−200℃以下の低温の場合は、超低温タイプを選定してください。
2. タンク内が高圧・真空の場合
標準電極は耐圧 2MPa です(2MPa以上の高圧仕様も対応可能)。負圧の場合は真空対策を施します。
3. 測定物の付着
粘性(スラリー)物質の場合、電極に付着します。当社製品は、付着キャンセラ機能を搭載していますので誤検知を防ぐことができます。
導電性が強く付着が多い場合は、強導電対応仕様を選定して下さい。
4. 腐食性のある測定物
測定物に腐食性があり、金属材料が使用できない場合は、樹脂チューブで被覆した電極を選定します。
5. 測定物の物性変化
測定物の物性が大きく変化が生じると検出できなくなったり、誤差が発生したりしますのでご注意ください。
6. 粉粒体測定
粉粒体は液体に比べ、測定物に空気が混ざり、誘電率が小さくなります。
絶縁性が強い、比重が軽い(空気が多い)場合は、高感度仕様を選定して下さい。
7. 泡の検出、泡無視検出
アンプのモード切替で泡無視・泡検知を切替できます。
8. 界面検出
水と油のように、導電性物質(水)、絶縁性物質(油)となるような電気的特性が大きく違う場合であれば、界面検出ができます。
その場合は、標準アンプ N モードを選定してください。

さらに詳しく!

レベルスイッチ(静電容量式)
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