用途別(レベル計)
サニタリー・HACCP
食品・医薬品・化粧品等のサニタリー仕様が必要な業界や製造工程での事例を紹介します。また、2021年6月から施行されたHACCP(ハサップ)やCIP/SIPの解説や対応製品についても説明いたします。
ヤマデン君のコメント
食品・医薬品業界に最適なレベルセンサを提案します。洗浄性、薬液(耐腐食性)、粉体(微粉末)、泡などにも対応する製品を取り揃えております。
HACCP(ハサップ)とは?
当社では食品工場で食品の製造を行っています。2021年6月からHACCP(ハサップ)が制度化されましたが、衛生管理の手法等について概要を説明して下さい。
HACCP(ハサップ:Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品製造における衛生管理の手法になります。従来も衛生管理は行われていましたが、最終製品の一部を抜き取って検査するものであったため、万が一不良品が発生した場合、どこで、いつ発生したかを把握するまでに時間を要していました。
HACCPでは、食品製造における細菌や異物の混入などを「危険要因」として分析し、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中から「重要な工程を管理」することで、「危険要因」の除去や低減、万が一不良品が発生した場合の早期発見を行うことができ、製品の安全性を確保することができます。
これらの工程には、原材料の保管、製造ラインでの材料管理、調合・加熱工程なども含まれており、各工程においてレベルセンサ等のセンサで適切な計測の管理を行う必要性が生じています。
食品工場でのHACCP(ハサップ)工程例
食品工場でレベルセンサや各種センサを使用していますが、HACCPの重要管理点という観点から各工程でどのようなセンサ(レベルスイッチ、レベル計、導電率計など)を使用するのか簡単に説明して貰えませんか?
食品・医薬品製造工程において、レベルセンサがどのように使用されているかの一例を上記の図で紹介いたします。
<材料の貯蔵、投入、調合の工程>
①在庫管理:原材料タンク等にレベルセンサを使用することで、材料の在庫管理を行うことができ、発注のタイミングの管理などを自動化できます。
②上限、下限検知:タンクの上・下限にレベルスイッチを使用することで、空検知や溢れ検知を行うことができ、材料の補充などを自動化できます。
③詰まり検知:配管中にレベルスイッチを使用することで、配管内で材料が詰まったときに検知することができ、異常を早期発見することができます。
<CIP管理>
④洗浄液管理:配管やタンク内を自動で洗浄液にて洗浄する為に導電率計で洗浄液の濃度管理、レベルセンサで薬液残量管理を行うことができます。
<その他>
⑤冷却水量管理の為のレベルスイッチ・液面計、⑥充填機器用のレベルスイッチ・レベル計などを使用します。
各工程の最適なレベルセンサは上記の図に記載の通りですが、以下に様々なセンシングの事例をご紹介します。
原材料の粉末の残量レベル計測
現在、粉ミルクの製造を行っていますが、原材料の粉体が粉末(パウダー)状の為に比重が小さく、レベル検知がむずかしくて困っています。このような粉末の材料でも検知できるレベルセンサはありませんか。
弊社の高感度型静電容量式レベルスイッチと振動式レベルスイッチで比重の小さい粉体(微粉末やパウダー)の検知が可能になります。高感度アンプの採用により、従来検知しずらかった比重の小さい微粉末も確実に計測します。
①高感度型静電容量式レベルスイッチ:YTLタイプ
②振動式レベルスイッチ:CVタイプ、CV600タイプ
特にYTLタイプはセンサ部への粉体の堆積や付着にも対応し、ケース塗装の無いSUSケースやサニタリー専用タイプにも対応可能です。粉ミルク、プロテイン、お茶の微粉などにも対応します。
微粉末については上記以外にもお客様の現場環境に合わせた最適な製品を提案させて頂きます。
湯気が発生する現場でのレベル計測
業務用の炊飯装置で白米の残量検知用に光電センサを使用していますが、炊飯の加熱途中で湯気・蒸気が発生する為にセンサーが誤動作を起こします。製造工程途中で湯気・蒸気が発生しても誤検知しないレベルセンサはありませんか。
食品の製造過程では材料を炊いたり・蒸したりする為に湯気・蒸気がタンク内に発生する場合が有り、従来センサ等では誤検知してしまう場合もございます。
当社の静電容量式レベルセンサでは、最適なアンプの選定によって、湯気・蒸気等が発生する環境でも測定物の安定した計測が可能です。
・センサ電極の付着を抑えるテフロンコーティング・テフロン仕様の製作が可能。
・タンクの外のケース部もALL-SUS仕様により蒸気に強く「丸洗い」が可能です。
様々な食品の加熱・高温のアプリケーションに最適な製品を提案いたします。
製造工程途中で発生する泡の検知
飲料水の製造を行っていますが、製造工程途中で「泡」が発生する為に、実液は溢れなくても上澄みの「泡」が溢れることがあるので困っています。この様な「泡」を検知・計測するレベルセンサはありませんか。
食品、医薬品では、製造過程によって泡が発生する場合が多く見受けられます。
「発生する泡が溢れないように泡を測定したい」というご要望や、「必要なのは実液面だけであるため泡を無視したい」といったご要望を頂くことが多いのですが、現在ご使用のセンサ(赤外線センサなど)では泡が原因で誤計測してしまう場合もあるようです。
当社の高感度レベルスイッチ・レベル計では、泡検知、泡無視のそれぞれに対して、適正なアンプの選定によって計測可能です。
また、製品ラインナップやアンプ選定によって、細かい泡や大きめの泡など様々な泡への対応が可能になっています。ケース塗装の無いSUSケースやサニタリー専用タイプにも対応可能です。
CIP管理での洗浄液の管理・検知
医薬品の製造工程を管理していますが、洗浄液等を使用するCIP/SIPシステムを導入しています。これらのCIP/SIPの洗浄液等に対応するレベルセンサはありませんか。
弊社では、CIP/SIPに対応するサニタリー用レベルセンサYAL-S2/MHL-S1をご用意しています。
・CIP(Clean in Place:定置洗浄)/SIP(Sterilization in Place:定置滅菌)とは、生産機器を分解せずに定置状態で洗浄、滅菌することです。
・CIP/SIPでは、薬液・薬剤での高圧洗浄、スチームでの高温滅菌を行うため、耐薬品性、耐圧性、耐熱性が必要となりますが、本サニタリー用レベルセンサはこれらの条件を全て満たしています。
・洗浄液や薬液の残量はレベルセンサで検知しますが、濃度等は導電率計MRLで計測します。
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